日本企業の悲鳴:CBAM対応、現場で何が起きてる?

頭を抱える男性 Uncategorized

前回までで、CBAMの基本と世界の動向を学んできました。

でも、一番気になるのは「実際の現場ではどうなってるの?」ということ。

特に、日本企業。

本当に困ってるの?それとも余裕で対応できてるの?

今回は、企業の生の声と、具体的な対策を調べてみました。

現場からの悲鳴:「間に合わない」

調べてみて、正直驚きました。

想像以上に、現場は大変そうです。

短期的な課題:データが出せない

2024年、猶予期間が終了しました。

これまでは大まかな報告でOKだったのが、「実際の排出量データ」を出さないといけないようになりました。

企業の声:

「排出量の正確な把握?そんなシステム、うちにはない」

「第三者検証?どこに頼めばいいの?」

「データ管理体制の構築?お金も人もいない」

つまり、「やらなきゃいけないのはわかってる。でもどうやって?」状態。

中期的な課題:コストが上がる

特に鉄鋼やアルミなどの炭素集約型素材産業は深刻です。

CBAM証書を買わないといけない = 輸出コストが上がる

企業の懸念:

「EU向け製品の価格競争力が落ちる」

「中国や韓国に負けるかもしれない」

「利益が圧迫される」

前回の記事で書いたように、100トンの鉄鋼製品で約232万円のコスト増

これ、小さな企業にとっては死活問題です。

長期的な課題:全業界に波及する

今は鉄鋼、アルミ、セメントなど6品目。

でも、対象は拡大していきます。

企業の不安:

「自動車部品も対象になるかも」

「電子機器も対象になるかも」

「そうなったら、製品開発から見直さないと」

「サプライチェーン全体を変える必要がある」

つまり、「今は関係ない」と思ってる企業も、いずれ巻き込まれる可能性が高いんです。

中小企業は大丈夫…じゃない

「中小企業には報告義務の免除などの緩和措置がある」

そう聞いて、「じゃあ安心だね」と思いますよね?

でも、現実はそう甘くない。

サプライチェーンの圧力

大手企業が、取引先の中小企業に対してより厳しい監査を行うようになっています。

なぜなら、大手企業は「サプライチェーン全体の排出量」を把握しないといけないから。

中小企業の声:

「免除されても、取引先から『データ出して』と言われる」

「出せなかったら、取引が切られるかも」

「大手と取引するなら、結局対応しないと」

つまり、法的義務はなくても、商売上の義務は発生してるんです。

透明性が求められる時代

もう「どんぶり勘定」では通用しません。

サプライチェーンの透明性向上

厳格な排出量管理

これが、大企業だけでなく、企業全体に求められるようになっています。

でも、希望の光もある

ここまで読むと、「もう無理じゃん…」って思いますよね。

でも、ちゃんと対応している企業もあります。

前向きに捉える企業も

「第三者検証機関を確保して、しっかり体制を整えた」

「低炭素技術への投資を戦略的に進めている」

「環境配慮が競争力強化につながると認識している」

「ピンチをチャンスに変える」企業が、確実に存在します。

そして、こういう企業は、

「あの時対応しておいて良かった」

と、数年後に言うんだと思います。

日本企業の具体的な対策:何をしてる?

じゃあ、実際にどんな対策をしているのか。

調べてみると、いくつかのパターンが見えてきました。

対策1:社内体制を整える

やっていること:

  • CBAM担当責任者を明確化
  • 排出量データ管理システムを構築

これが、まず第一歩。

「誰が責任持つのか」がはっきりしないと、何も進みません。

そして、システムがないと、正確なデータは出せません。

対策2:第三者検証機関を確保

EUは、企業が自己申告した排出量データを、そのまま信じてくれません。

第三者による検証が必要です。

だから、対応している企業は:

「外部の検証機関と契約して、体制を整えた」

早めに動いた企業は、良い検証機関を確保できています。

逆に、出遅れた企業は、検証機関の争奪戦に巻き込まれているかも…。

対策3:サプライチェーン管理を強化

製品ごとの炭素排出量を把握するには、自社だけじゃダメ。

上流のサプライヤーと連携する必要があります。

やっていること:

  • サプライヤーに排出量データの提供を要請
  • データフォーマットの統一
  • 定期的な情報共有

特に、鉄鋼、アルミ、化学など排出量が大きいセクターでは、重点的に取り組んでいます。

対策4:製造プロセスの脱炭素化

これが、本丸です。

排出量を減らせば、CBAM証書を買う量も減る。

具体的には:

省エネ化:

  • 製造プロセスの見直し
  • エネルギー効率の向上

原材料の切り替え:

  • 例:水素還元製鉄(鉄鉱石を還元する時に、石炭じゃなく水素を使う)

再生可能エネルギーの活用:

  • 太陽光発電の導入
  • 風力発電の購入

これらは、投資が必要です。

でも、長期的に見れば、コスト削減にもつながります。

対策5:コストを事前に計算する

「どれくらいコストが増えるのか」を事前に計算している企業もあります。

そうすれば:

  • 価格戦略を立てられる
  • サプライチェーンの見直しができる
  • 経営判断ができる

「知らないまま2026年を迎える」のと、

「わかった上で準備する」のでは、

天と地の差があります。

カーボンフットプリント、どうやって計算する?

多くの企業が困っているのが、この部分。

「CO₂排出量、どうやって計算するの?」

基本的な考え方:Scope 1, 2, 3

CO₂排出量は、3つの「Scope(範囲)」に分けられます。

Scope 1:直接排出

  • 自社の工場で直接出すCO₂
  • 例:燃料を燃やす、化学反応で出る

Scope 2:間接排出(エネルギー)

  • 電気や熱の使用で間接的に出るCO₂
  • 例:電力会社が発電する時のCO₂

Scope 3:その他の間接排出

  • サプライチェーン全体のCO₂
  • 例:原材料の製造、輸送、廃棄

CBAMで問われるのは:

主にScope 1と2です。

でも、Scope 3も今後問われる可能性があります。

計算方法:2つのアプローチ

方法A:概算方式

  • 燃料などの消費量 × 排出係数
  • 比較的簡単
  • でも精度は低め

方法B:実測方式

  • 実際の排出量(濃度、流量)を測定
  • 精度が高い
  • でも設備投資が必要

多くの企業は、まず方法Aから始めて、徐々に方法Bに移行しています。

使えるツール・システム

最近は、排出量計算を支援するツールも増えてきました。

  • クラウドベースの算定ツール
  • 業界団体が提供するガイドライン
  • コンサルティング会社のサービス

「全部自分たちでやる」のは大変なので、外部のサポートを活用するのが現実的です。

段階的なアプローチが大事

いきなり完璧を目指すと、挫折します。

ステップ1: まず大まかに把握

ステップ2: 主要製品から正確に測定

ステップ3: 全製品に拡大

ステップ4: サプライチェーン全体に拡大

焦らず、着実に。

これが大事だと思います。

私が感じたこと

調べていて、いくつか思ったことがあります。

1. 「知らない」が一番危険

対応できてる企業と、できてない企業の差。

それは、「知ってるか、知らないか」だと思いました。

知っていれば、準備できる。

知らないまま2026年を迎えたら、手遅れになる。

2. 中小企業が一番しんどい

大企業は、お金も人もある。

でも中小企業は、どちらも限られている。

「免除される」と言われても、実質的には対応しないといけない。

この現実が、一番キツいと思いました。

3. でも、チャンスでもある

ネガティブな話ばかりじゃありません。

「環境配慮が競争力強化につながる」

この認識が広まりつつあります。

つまり、

対応した企業が、生き残る。 対応しなかった企業が、淘汰される。

厳しいけど、それが現実なんだと思います。

4. 「透明性」の時代

もう「どんぶり勘定」では通用しません。

数字で示す。データで証明する。

これが、新しい「当たり前」になっています。

前回の記事で書いた、

「性善説の終わり」人の善意に任せず、倫理的な取り組みをデータで証明していく時代

まさに、それを実感しました。

まとめ:現場は本気で困ってる

今回、企業の生の声を調べて、わかったこと。

現場は、本気で困ってます。

でも同時に、

本気で対応してる企業もあります。

その差が、今後の明暗を分けるんだと思います。

企業がやるべきこと(おさらい)

  1. 担当者を決める
  2. データ管理システムを作る
  3. 第三者検証機関を確保する
  4. サプライヤーと連携する
  5. 製造プロセスを見直す
  6. コストを事前に計算する

そして、段階的に、焦らず、でも着実に進める。

個人にできること

「企業の話だから、自分には関係ない」

そう思うかもしれません。

でも、私たち消費者も、無関係ではありません。

  • 環境配慮してる企業の製品を選ぶ
  • 「安ければいい」から卒業する
  • 企業の取り組みに関心を持つ

こういう小さな行動が、企業の背中を押すことになります。

次回予告

次回は、もっと具体的な話を書きたいと思います。

「エシカル消費って何?私たちにできることは?」

企業の話から、個人の話へ。

一緒に考えていきましょう。


【今回調べてわかったこと】

  • 現場の企業は本当に困ってる
  • でも対応してる企業もちゃんとある
  • 中小企業の苦しさが想像以上
  • カーボンフットプリント計算は段階的に進めるのが現実的

※この記事は学習中の初心者が書いています。間違いや補足があれば、ぜひ教えてください!

mako

💚日本でも気候変動の災害が多く起き始めた昨今。少しでも自分にできる事はないかと思い、エシカル知識の収集とアウトプットを行っています。みんなで生きていける地球にしたいですね。
・エシカルコンシェルジュ受講中

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